生きる
時々 ふと 自分は死んじゃうんじゃないかな、と思ったりする事がある。もともとドジだし、うっかりだし、不慮の事故とか 不治の病とかに冒されてたりして、と
ふっと考えながらお酒を飲んでたり。
そうしてそう思った後に 家族は悲しむかな、とか 娘はちゃんと朝起きてお弁当作って行けるかな、とか 旦那さんはちゃんと血糖コントロール出来るかな、とか 薬ちゃんと飲めるかな、爪切り自分で出来るかな、親子ゲンカしないかな?とか お店はどうかな、お客さん困らないかな、突然閉まってて心配するかな、どこか相性の良い心地よい美容室見つかるかな、 実家の両親は大丈夫かな、おばあちゃんの介護は母一人で大丈夫だろうか…などなど
空想と妄想が広がってそんなことを考えると
ああ、まだ私は死んじゃダメだ、死ねないわ!と必死に思って否定したりして
こんな風に考えているうちは人間はあの世にはいかないもんだな、と思ったりして。そんなもんです。
先日私の大事なお客様が天国へと召されてしまいました。享年43歳。
当店には9年通ってくれていて
本当に陽だまりのように明るい笑顔でいつも接してくれ 私のカットを気に入って下さって定期的に来てくれていました。
最後にご来店下さったのは2018年12月中旬。
その月の末に永眠されたようでした
つい先日御主人さまからの訃報のお葉書を頂き言葉も出ないほど驚きました。
未だ信じられません。
昨年の春にも10年来のお客様が永眠され、
夏にもまだ若い同年代のお客様が逝去されてしまいました。それもまだ自分の中では受け入れられない状態で、またふらっと電話でご予約あるかなぁ、なんて思いながら日々過ごしています。本当に来てくれたら良いのに。
いずれもご家族の方からご連絡を頂けた事
大変な時にも関わらず ご家族とは面識がなかったのにも関わらずご連絡頂けたのには感謝の気持ちでなりませんでした。私はただ 定期的に髪を綺麗にしてあげるだけしか出来なかった。
身体はでかいけど 微力さを実感しました。
美容師ってなんだろう。
我が家の旦那さんが昨年秋に倒れ入院して
大事には至らずもうすぐ70歳になろうと言う人で自身のメンテナンスなど何もして来なかった人ですが 生命力の強さを感じると同時に
まだうちの旦那さんにはやらないとならない事があるのでは、と思ってなりません。
そうして若くして旅立っていく方々が
本当はもっと沢山色んなことを考え、行動したり経験したり、笑ったり 泣いたりしながら
沢山伝えたい事があっただろうな、と
胸が詰まる思いでいっぱいになりました。
世の中には沢山の不条理な事件もあり
思い掛けない出来事で命を落としてしまう事あり本当に悲しいことばかりです。
生きてないと何にもできないし何も伝えられない。
生きているって事は
チャンスが沢山あるって事
お金がなくても 失敗しても 落ち込んでも 辛くても 悲しくても
伝える事が出来るって事。
死んじゃったら伝えられない。
最後に来てくれた時に私が、
これからはお客様の健康サポートも出来るように勉強して行きたいと思ってますよ、と話した時に
「岩田さんはどんな事にも挑戦して本当にすごいと思うし楽しみです。今後ともよろしくお願いします」
そう言って満点の笑顔で帰られたあの笑顔を
忘れてはいけないんだよ。
私は何かできる事があるのかな、と
落ち込んだり悩んだりしている間に
進まないと申し訳ないんです。
命ある限り。